BCP作成に当たってのポイントとしての2項目目として「中断時間の許容範囲」ということが挙げられます。
有事の際には仕事が中断することが考えられます。工場が被災して生産ができなくなった、感染症が蔓延し従業員が出勤できなくなった、燃料が調達できずにトラックを動かせなくなった、などの大きな問題が発生したとしてもいつまでも仕事を中断させ続ける訳にはいきません。
そこでどこまでなら中断を許せるのかについて常に基準を持っておく必要がありそうです。これは顧客との約束事として話し合っておくことも必要です。
ある工場では被害状況に応じて2週間以内に生産を再開する、1ヶ月以内に再開するなどといった基準を設けています。
この工場を顧客に持つ会社であれば、この基準が自社のBCP作成時の目安になるはずです。この基準を下回る内容では顧客に迷惑をかけてしまいますので注意が必要です。
BCPではいかに短期間で復旧できるかが大きなポイントになります。つまり優先業務を定め、その業務をできるだけ短期間で復旧させることが重要になってくるのです。
第三のポイントは「経営資源」です。前回もお話しましたとおり、有事には限られた資源をどこに優先的に投下していくか、ということになります。
物流業にあってはお金は当然として、物流機器と人材はなくてはならない経営資源となります。人材については優先業務に投入することになりますが、その業務ができないという状態は避けなければなりません。
その意味ではBCPの中に人材のスキル向上について謳っておく必要があります。これが第四のポイントである「対策案の立案」になります。
想定されるリスクに対し、優先的に取り組む業務を定め、それに資源を投下する。そしてそれによって復旧を短期間で行うために、あるいは何としても業務を途絶えさせずに続けていくためにどのような方策が求められるか、ということになるのです。
次回に続きます。