5月のご挨拶

5月になりました。皆様、連休はいかがお過ごしになりましたか?仕事から離れてリラックスしたり、連休でしかできない貴重な体験をされたりしたのではないでしょうか。

私はこれまで連休を利用して、家族と出かけたり何も考えずに長時間ボーッとしているといった時間を過ごした後に、別の視点で物事を見たことによって新たなアイデアが生まれることがありました。カイゼンプロジェクトで言いますと、そういったアイデアを持ち寄り事務局のスタッフと会議をしたりすることもあります。仕事から離れてゆったりと過ごしたことと、思いもよらぬアイデアが生まれることの間には、正比例の関係があると何となくですが感じておりました。

それとは反対に、ハードな仕事が続いてしばらく寝付けないことがあったり、思い悩んでしまって簡単なことでもなかなかアイデアが出ないといったことがあったりもします。

睡眠学の先生から日本人は世界の先進国の中で最も睡眠時間の少ない国であり、疲れが取れず頭が働かない原因の一つとして「睡眠時無呼吸症候群」という症状があることを教わりました。「私はいびきをかかないし、すぐ寝付くので睡眠時無呼吸症候群には関係ないと思いますが」と先生に聞いたところ、即座に、「その寝付きは良すぎます、普段から相当眠いのではないでしょうか?一度検査をした方が良いですよ」と勧められ検査をしてみたところ、見事に睡眠時無呼吸症候群に当てはまっておりました。そしてCPAPという無呼吸状態をなくす器械を使って対応をし始めました。その結果、朝起きたときのスッキリ感は格段にアップし、出張が続いても明らかに疲労感がなくなり昼間に眠気を感じなくなりました。頭の回転も良くなった気がしていて、明らかに仕事が良くできるようになりました。私はこのCPAPを手放せなくなり、出張先にもリュックサックに入れて持ち歩いております。

先日、会員のA社長と指導会の合間に雑談した時に、最近忙しくて疲れがたまっていて良く眠れないことが多いとおっしゃっていたので、私の睡眠時無呼吸症候群のお話をしたところ、A社長も睡眠外来の診察を受けました。すると私と同じ状態であると診断され、早速CPAPを使い始められました。その後、ご連絡を戴きましたが、良く眠れるようになり、感じていたひどい疲労感がなくなり無事に厳しい状況を乗り切ったとのことでした。

私がやっているコンサルティングの仕事もカイゼンプロジェクトのコンセプトも、皆様の悩みや問題点を聞いたり相談を受けたりすることからカイゼン策を探していくことが多いため、私自身が健全な状態でなければ相談に乗ることなど到底できませんし、いいアイデアが出ることも難しくなると思います。私が睡眠時無呼吸症候群であるという発見は、対応することで以前より良い状態になれたので私にとってとても大きなカイゼンでした。

睡眠や休息の取り方が大切ということは、会員の皆様の職場でも共通していえることだと思いますが、「仕事のためにしっかり休め」、「仕事のために普段から備えろ」、などと指示することは問題になってしまう可能性があります。そもそも休む時間、心身を整える時間というのはプライベートな時間が多いので、ある程度までしか伝えることはできないと思います。

それでも、健全な状態でいるということは仕事だけでなく生活全般に良い影響があることは間違いないので、こういったこともうまく伝えていける環境をカイゼンを通じて作れたら良いなと思っています。

誰に相談すればいいのか?今回のテーマもそうですが、こういったことは意外と身の回りに多くあります。私はこのような話題もカイゼンプロジェクト会員の皆様と議論してみたら面白いのではないかと考えております。そしてこういった機会を今後も増やしていきたいと思っています。その際はぜひご参加ください。


日本カイゼンプロジェクト
会長 柿内幸夫