12月になりました。師走です。新型コロナウィルス感染拡大の中でのあっという間の一年でありましたが、振り返るとオリンピック・パラリンピックも無事終わり、企業の動向も少しずつ上向きになっており、大変な中よく頑張った!と言っていいのではないかと思っています。
先日、東京のJR渋谷駅前のスクランブル交差点を渡ろうとしたのですが、あまりに人が多くまっすぐ歩くことができず、何度もぶつかりそうになりながらようやく渡り終えました。そして久しぶりに通勤時間帯の電車に乗ったのですが、いわゆる“痛勤ラッシュ”といわれた昔に近い状況になっていました。思い出したのですが、コロナが始まる前はいつもこうでした。違いは全ての人がマスクをしていることや、寒いのに電車の窓が換気のために開いていることです。
欧米やお隣の韓国では感染拡大が止まらないのに、日本では激減です。ワクチン接種の広がりに加えて、マスク着用、手洗い、消毒、換気や室内でのソーシャルディスタンスなどを皆がしっかり守るという日本人らしい真面目さの結果、だといいなあと思います。感染者激減の今の状態が継続されて、世の中が回復の方向に突き進むことを心から願います。
さて、既に冒頭で今年の振り返りをしましたが、12月は今年を振り返り、そして来年に思いを馳せる月ですね。いつものP-D-C-AではなくC-A-P-D のサイクルを回すタイミングです。
まずC(チェック)で振り返ります。冒頭に「よく頑張った!と言っていいのでは…」と申し上げましたが、確かにコロナによっていろいろな問題が起き、緊急にたくさんの対応を余儀なくされました。密を避けるために従業員の出勤タイミングを調整し、可能な人は在宅勤務を始め、入り口にはアルコール消毒の器材を、部屋にはパーティションを設置し、またすべての人の出入りの記録を残すといったことを実行しました。業界によっては半導体などが突然に入らなくなることで休業を余儀なくされ、人員調整などでも大変にご苦労されました。補助金申請などの事務作業も大幅に増えたことでしょう。
本当にお疲れさまでした。ただ、これは起きた問題に対する対応であり、決してあるべき姿に向かって仕事の質を上げたということではないということでもあります。
しかし、私たちはこの対応をしたことで多くのことを学びました。冒頭でコロナ対策の成果が出ていると申しましたが、それはこれらの大変な対策をすべての企業の皆様がもれなく実行されたことの結果です。「やる意味があるのか?」、「ペイするのか?」とか「失敗したらどうする、もう少し様子を見よう」といったことを一切言わず、即座に実行されたということです。「なるべくやる」ではなく「今すぐ必ずやる」と決めたことによる成果です。私はこの「今すぐ、やる」が来年の活動のキーワードになると思っています。皆様の対応力は本当に立派だったからです。この問題解決対応で得られた実行力を来年の課題達成に活かすのです。
そして、来年のP(プラン)です。これまでの時代がどう変わるかを考えましょう。QCDをしっかり管理して良いモノを安くタイムリーに供給すれば経営が成り立つ時代ではありません。お客様を更に喜ばせるためにマーケットを開発し商品やサービスを創り出すことも仕事になってきます。リラーニング、改めて勉強をして新しいことにチャレンジすることも大切です。これらを皆でしっかり練って、素早く実行に移すのが来年のD(ドゥ)です。
以前、アメリカでオバマ大統領が “CHANGE!”をキーワードに就任演説された時に流行った言葉で、 CHANGE – T(Taboo)=CHANCE というのがありました。CHANGEの中のGの文字からTの形を外すとCになり、Chanceになるという言葉遊びでしたが、そうだと思います。変化の時に、出来ない理由を言うようなタブーを取り去るとチャンスになるいうことです。変化はチャンスです。
今年一年で学んだ実行力を来年に活かしましょう!
日本カイゼンプロジェクト
会長 柿内幸夫