6.強いモノづくり【急所67】在庫に対する考え方

多くの工場で「在庫管理」にチエを絞っています。しかし、その管理の中身を見てみると、在庫を切らさないように管理をしているところが圧倒的に多く、在庫削減に向けて管理やカイゼンを実行している会社は少ないようです。

在庫の理想的な手持ち量はゼロです。注文が来て納期に間に合うように造って出荷するというのが理想だからです。在庫はナゼ必要なのでしょうか?それはモノが必要になった瞬間にその数をタイムリーに作ったり入手することができないからです。もしそのモノが近くのコンビニで売られているのでしたら、なくなってから買いに行っても間に合いますから在庫は不要です。

もちろん、現実的には様々な理由である程度の在庫を持たないわけにはいかないでしょう。しかし「しかたがない」と考えた瞬間から在庫は膨らみ始めるのです。在庫に対する正しい考え方は「ゼロを目指して、常に減らし続ける」ことです。

本気で在庫を減らそうとすると全社の総合力の結集が必要です。生産現場の努力だけでは到底達成できません。設計変更による部品点数の削減をはじめ、注文の取り方、情報の流し方、材料の選定、材料の買い方、商品の売り方などのすべてがカイゼンの対象になります。

工場では段取り替えの短縮を実行して生産ロットサイズを縮小して、運搬も小口化するなどのカイゼンを行います。その結果、キャッシュが生れ、収益が上がります。「在庫は罪固」、管理するのではなく削減するものなのです。

在庫と一言でまとめてしまいますが、材料在庫、工程内在庫、完成品在庫、運搬在庫、店頭在庫などいろいろなところにいろいろな形で存在します。それらのすべてを把握してゼロに向けて減らしていくことが大切です。

今週の言葉  理想的な在庫の量は、ゼロである。