4.作業を改善する基本 【急所52】注文がない時の対処


多くの工場では日々たくさんの製品が造られていますが、増産することより難しいのが、生産量が減った時の対応です。

対応で最もやってはならないことは、「手が空いてしまってはならない!」と考えて、造る必要がないモノを造ってしまうことです。もし売れないモノを造ってしまうと、お金がモノに化けて不良在庫化するだけでなく、管理工数と廃棄費用のダブルパンチを食らうことになってしまいます。そんなことをすればキャッシュがあっという間に無くなってしまうことでしょう。生産現場にはこのような考え方は多くあります。手を空けては行けない...というのは理解できるの気持ちですが、間違いです。計算上の能率が上がっても、結果として会社に大ダメージを与えることになります。

だからと言って、生産量が少ないにもかかわらず、手が空かないようにしようと生産スピードを落としてゆっくりと造ることももちろん禁物です。一度落としたスピードは元に戻らず、景気が回復した時に競争力がなくなってしまったことに気付くことになります。

註文がないところには生産はないと考えるべきです。だから生産量を減らすということは注文が減ったということです。ですから、そういう時にするべきことは、手の空いた人で注文を取りに行くことと、次に注文があった時に、今より良いモノを安く造れるように訓練をすることです。そう考えると、段取り替えの練習や、多能工化の訓練、あるいは設備の改善などするべきことは山ほどあるはずです。

新型コロナウィルス感染拡大の影響で売り上げを落としておられる企業は多いです。どうぞ皆様で力を合わせてこの時期でしかできない将来に対する準備となる対応をお取りください。応援しております!

今週の言葉  注文がないところに生産はない。