BCPは Business Continuity Plan の略ですが、この文字が示す通りBCPとは事業継続のための「計画」ということになります。
そこでもし何か発生した場合には誰が何をどれくらいの期間で実施するのかを明確に決めておかなければなりません。
この計画は現実的なものであることも要件となります。あまり非現実的なことを計画化してもまったく意味の無いことはおわかりかと思います。
BCPで計画化されたことが現実的であるということは、有事の際にこの計画が機能することを意味しています。実際の話、これは簡単ではありません。皆さんもご記憶にあると思いますが、東日本大震災の時にBCP作成企業であってもそれによって被害が極少化されたケースは必ずしも多いとは言えないのです。
震災がめったに起こらない、過去に経験したことが無いことが起こるという、「想定」することが極めて難しい一方、台風はやや状況が異なります。
台風情報はかなり前から報道され、その情報精度も高いものと言えます。したがいましてその情報を日々入手することで事前にいろいろな手を打っておくことが可能となるわけです。
これにつきましては物流に携わる皆さんであれば既に身に付いていると言えるのではないでしょうか。
さてこの「想定」が難しいリスクの発生についてどう予測していくかが課題となりそうです。このリスク想定にあたっては国や自治体が想定している災害の影響情報などが役に立つのではないでしょうか。
自社内であればたとえば自社倉庫が倒壊した場合にはどのような影響が出るのか、感染症で従業員の半分が休んでしまったら業務はどうなるのか、輸送船舶が座礁してしまったら得意先にどのようなインパクトがあるのかなど、さまざまな観点での予測が求められます。
社内のいろいろな人にリスク予想をしてもらいましょう。まずは自分の仕事の領域でどのようなリスクが潜んでいるのか、考えてもらう機会をつくることも良いかもしれません。
次回に続きます。