東日本大震災以降、一般の人にも知られるようになったBCP(事業継続計画)ですが、まだ未導入の会社もあると思います。
また導入はしているものの、うまく機能していない会社もあるのではないでしょうか。ということで、このBCPについて少し考えていきたいと思います。
震災を機に私たちの本業であるサプライチェーンという言葉についても、日頃のニュースで取り上げられることで一般の人に知られるようになりました。地震等によって輸送網が寸断され、タイの洪水によって海外との部品調達も止められたことがこの言葉を一般の人への認識へとつながったのです。
事業継続を脅かすリスクとして注目されるものとして、地震や津波、台風や大雨などの「自然災害」、テロや戦争、暴動といった「人災」、火災や爆発、工場事故などの「事故」、システム障害や機密情報漏洩、不正アクセスなどの「IT関連リスク」などがあります。
これらのリスクのうち何を優先とするかはそれぞれの会社によって異なることと思います。その中でも国内において考慮すべき最大のリスクは地震であると考えられます。これはどの会社にとっても共通項目ではないでしょうか。
もちろん、感染症や取引先リスクなどといったものもあると思いますが、最優先で考慮すべきリスクは地震と考えてよいのではないでしょうか。
さてBCPを作成するに当たりそのポイントについて見ていきましょう。
第一に「優先して取り組むべき事業、業務は何か」、ということです。
有事には全ての業務を同じプライオリティでかつ同じスピードで進めていくということは不可能に近いと考えられます。
どうしても会社の資源は限られますので、その資源をどこに優先的に投下していくかという話になると思います。
輸送会社であれば何を優先的に運ぶのか、どうしても止めてはならない貨物は何なのか、もしかしたら今の仕事を中断し災害支援物資を運ぶ使命が出てくるかもしれません。
次回に続きます。