プロジェクトは、もともと建設やエンジニアリング業界などを中心に普及したやり方でしたが、2000年ごろから、製造業を始めとしてどの業界でもビジネスの進め方として定着するようになりました。現在では、カイゼン活動にも熱心に取り入れられています。例えば、『カイゼン4.0』(柿内会長の新著)表紙カバーには次のように書かれています。
中小企業の創発プロジェクト 成功事例が満載!
・複数の職場で協働し
・部門横断的な知のすり合わせで
・経営トップの関与を前提に
・全組織協働型カイゼン
このようなキーワードから成功したカイゼンプロジェクトの特長がわかります。
そこで、この連載ではプロジェクトでカイゼンを進めるために、
①現在の企業環境のもとで
②より短期間で成果に結びつき
③プロジェクトでのカイゼンが組織に定着する
このようなプロジェクトの実践ポイントを説明していきます。
限られたメンバーを活用して、限られた時間内に特定の目的を達成する、それがプロジェクトの役割です。それでは、プロジェクトはどんなときに使えば効果的でしょうか。
・かねてとは異なる特別な目的があるとき
新商品の発売、新製品の立ち上げ、新しい拠点のオープン、新しい生産ラインの稼動、会社の記念行事開催など、いつもとは異なる特別な目的があるときはプロジェクトとしては定番の取り組みになります。
・経営トップの狙い通りのものを実現するため
例えば、人事制度の抜本的な改革などがその好例です。外部のコンサルタントを起用する場合でも、社内のプロジェクトとしてチームを編成します。大事なことも細かいことも、とくにこだわりたいこともプロジェクト組織を通じて実現することができます。情報システム構築などの場合も同じです。プロジェクトのもつ機能を最大限に発揮させることで、経営トップの意思を確実に実現することができます。
・人を育てたいときや得意技を見つけたいとき
新人研修のひとつとして、新人だけでプロジェクトに取り組むこともよく実行されています。社内報の編集や、社員募集のための企業案内の作成などは定番になっています。新人の立場から、いきなりカイゼンプロジェクトに参加させるやり方もあります。また、適材適所の人材配置のためにプロジェクトに参加させることが役立ちます。本人の得意技を発見し確認することになります。職場でのOJTでは難しいことも、プロジェクトを使えばより短期間で目的を達成できます。
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