タバコを吸い始めたのは、真面目に20歳を過ぎてからだった。それまでは軟式庭球をやって、さらに中距離を走っていたので、タバコを吸っている人たちとの持久力は全く違っていたので、タバコはまったく吸いませんでした。その反動があったのか、吸い始めてからすぐに、パイプタバコと兼用しながら紫煙を謳歌していました。
45年ほど前は喫茶店が色々な嗜好でオープンしていたので、喫茶店の宣伝用にマッチが必ずと言っていいほど店に備え付けられていたものです。そのマッチの色とりどりの絵柄や5cm角もある大きなマッチなど収集するにも楽しみがあり、マッチ箱を数百点もアルバムにして楽しんでいました(現存する)。
煙草屋でタバコを買って、ついでにマッチも買ったら5円だった記憶があります。そのマッチの軸の数がおよそ20本でした。当時の両切りタバコ「ゴールデンバット」(1906年以来製造中)が何と30円でした。100円札(当時は板垣退助の肖像画)で、3つ買って10円のお釣りがありました。ちなみに現在は、330円に値が上がっています。(2018年に生産中止になり、あとは在庫のみ)
そのタバコの本数も20本であり、失敗をしなければマッチ1箱でタバコ1箱が吸えた勘定になります。マッチとタバコは1対1の非常に良い関係であったと思います。当時は喫茶店と言いながらもタバコをくゆらす場所であり、禁煙なんて言葉も聞いたことがなかったほど皆が吸っていた古き良き時代でした。
ところが1970年代に入ってから、ガスライターの使い捨ての100円ライターなるものが登場したのです。これは非常に便利であり、湿気にも強く、時には栓抜きの代わりにもなるし、マッチの何倍も寿命があったので、たちまちマッチを場外に押しやったかっこになりました。ただ爪楊枝の代わりには、なりませんでした。
しかしこの100円ライターは、途中でなくしたり、誰かに貸したらそのまま返ってこなかったりして、最後まで使い切ったことがありませんでした。そこでどれくらいの寿命があるのか挑戦してみたのです。条件は、ガスの量を一定にするためにガス調整の目盛を中央に合わせました。さらにタバコを吸う時の時間を観察して見積もりました。
着火してその炎を確認し、タバコに近づけて吸い込んで着火したことを確認し、ライターの火を消すまでの時間はほぼ2秒でした。このために着火時間を2秒にしました。実験は実際にタバコに火を点けたら大変なので、着火確認だけをすることにして連続的にその回数を計測していきました。