虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第19回:アイデアを出すテンプレートを使ってみよう(その1)

3分間で木偏の漢字はいくつ書けますか?

 さあいきなり問題ですが、木偏の漢字を何も見ないで紙に書いて見ましょう。よーいどん!さてさて、最初の1分間はかなりいいペースで書くことができますが、1分を超えると途端に漢字を思い出すことができなくなります。
 さらに最後の1分間はほとんど人が書くことできなくなり、まるで金縛りになったようにペンが動かなくなります。この問題の問いは、木偏でもサンズイでも草冠でもなんでも構いません。例えば名刺の使い方でも同じです。さていかがでしたでしょうか?①0から5個、②6から10個、③11から15個、④16個以上の4段階ではどのレベルになりましたか?
 多くの人は、②レベルです。しかもどの問題であっても全員の平均は、8個という結果が出てきます。しかも最初の1分間で7から8割、次の1分間では1から2割、最後の3分間では0から1割という結果も顕著に現れます。木偏の漢字は、調べてみると406個もあるのですが、思い出すことができるのはほんのわずかです。サンズイの漢字も300以上もあります。頭の固いといわれる人は①レベルです。
 16個以上書けた人は、何らかのヒントがフッと頭に浮かび、次々と漢字が浮かんできたはずです。例えば、旁の画数を1つずつ増やしていく方法があります。2つは、朴、朽、3つなら杉、材という要領です。木でできている家から探してみますと、柱、机、椅子、棚、屋根、窓枠、格子などです。アイデアの出る人は、すぐにこのようなヒントをすぐに発見し発想を展開できるのです。木偏ですから、木の種類を探していきます。春夏秋冬の旁では、椿、榎、柊、木偏に秋という漢字は残念ですがありません。
 このテストでは面白いことに人それぞれが、同じ答えを書くことがありません。3人ずつのグループで、答え合わせをしてみてください。同じ漢字は、せいぜい1つか2つしかありません。「三人寄れば文殊の知恵」は、正しいということが分かります。ということは、同じ問題を出しても人それぞれの答えを出す、つまりアイデアを出すことができるのです。さらにあまり長い時間を掛けるのではなく、短い時間で一気に出すことができます。何よりも仲間と一緒にやると、たくさん発想することができます。



図1. ①代用する。②結合する。③適用する。④変形する。
図2. ⑤除去する。⑥転用する。⑦再配置する。⑧なくす。