6.強いモノづくり【急所69】段取り替えの改善ポイント

一度締めたら緩まないのがボルトの利点です。モノを固定するときや製品の組み上げには欠かせないモノですね。しかし頻繁に取り付け取り外しをする用途には、ボルトは必ずしも最適とはいえません。スパナなどを使って何度も回転させなければならないし、工具の取り置きや合わせ作業などが必要になるからです。例えば段取り替えの場合は、金型などを頻繁に付けたり外したりするのですから、ボルトはこの用途には向いていないモノということになります。

しかし型を交換するプレス機や成型機などの設備の構造を見てみると型を固定するのにボルトが使われていることが多いことが分かります。すなわち型交換の時はボルトの数だけ時間と手間を毎回の段取りのたびにかけることになります。そうだとすると、これまではそうだったとしても、これからもずっとそうであると考えてはもったいないと思います。

本当にすべての本数が必要ですか?本数を減らせませんか?
何種類ものボルトが使われているのだとしたら、一種類のボルトに統一できませんか?
ボルトを抜かなくてもちょっと緩めるだけで型を外せるだるま穴式を活用できませんか?
二つのモノを固定できればいいのであればクランプのようなやり方で代用できないでしょうか?
どうしても今のボルトを変えられないのであれば、せめて分かりやすくボルトを色分けできませんか?
などなど、作業時間を減らすボルトについてのいろいろな改善を実行しましょう。

以前、ある自動車部品会社のプレス職場で、段取り替えに関係するすべてのボルトをリストアップしアイデア出しを行ったところ、大小合わせて100件に上る改善が実行でき、段取り替え時間を2割強も短縮できました。

段取り替えにボルトを見たら、改善できる!!と思いましょう。

今週の言葉  段取り替えにボルトを見たら、改善できる!!と思え。