現場カイゼン一問一答 第8回

Q8. 機械の定期的な整備や、外注業務、業務委託に関わるカイゼンは、自社で進める場合と外部のアドバイザー(コンサルタント)や業者に頼んだ方が良い場合があります。その判断基準はどのように考えればよろしいでしょうか?

A8. このテーマは非常に重要です。結論から言うと、「できるかどうか」と「どちらが得か」という2つの視点で判断するのが基本になります。

まず1つ目は、「自分たちでできるかどうか」です。経験がなく自分たちでは対応できない場合や、無理に行うと事故や品質トラブルにつながるようなリスクの大きいものについては、外部の力を借りることは問題ありません。特に、長時間止めることが難しい機械の整備や、安全性に不安がある場合は、無理をせず専門家に任せる判断が必要です。

ただし、ここで大切なのは「頼みっぱなしにしない」ということです。外注する場合でも、その仕事の進め方をよく観察し、「次は自分たちでもできる部分はないか」という視点で見てください。このときの外注は単なる作業の代行ではなく、教育の機会でもあります。少しずつでも自社でできる範囲を広げていくという姿勢が大切です。

次に2つ目は、「どちらが得か」という視点です。計算上、自分たちでやるより外注した方が安いのであれば、外注という判断は合理的です。一方で、工数的に余力のある人、あるいは手の空いている人が社内にいるのであれば、その人達をその仕事ができるように育てていくという考え方も大切です。その上で、今後は誰でもその仕事ができるように、教え方などをシステム化をすることで固定費を有効活用でき、将来は自社で対応できる範囲を広げることにもつながります。

この場合、追加で外注費を支払う必要がないため、キャッシュフローの面では自社でやる方が有利になることがあります。逆に、残業や休日出勤をしてまで対応するのであれば、そのコストは決して小さくありません。その場合は外注した方が、結果として利益につながりやすくなります。ここは感覚ではなく、しっかりと比較して判断することが大切です。

もし、コストが同程度であれば、自社でやることをお勧めします。理由は、経験やノウハウ、データが社内に残るからです。カイゼンは積み重ねですから、一度やったことが次につながるかどうかは非常に大きな差になります。

まとめると、内製か外注かの判断は、「できるかどうか」と「どちらが得か」を軸に考えます。そして、その判断のベースには固定費の活用とキャッシュフローの考え方があります。外注する場合でも学びの機会と捉え、少しずつ自社でできる範囲を広げていく。この積み重ねが、現場の力と経営の強さの両方を高めていきます。