
Q6. 見える化の一つである掲示物について質問です。みんなができるようになったものは壁などに貼っておかなくてもよろしいでしょうか?
A6. 最初に、見える化する掲示物には大きく分けて2種類があると思います。
一つはマニュアルに近いと言えますが、設備操作などに関わる危険事項についての見える化です。「メガネ着用」とか「手袋禁止」といった標識ですね。これは各設備に、常に分かりやすく見えるように貼ってあるべきものです。その時々の新人や不慣れな作業者がその機械を使うことがあるからです。これは慣れに関係なく、ずっと貼られていることが必要です。もちろん経時劣化や汚れなどで見えにくくなった場合や、掲示内容にアップデートや追記があった場合には更新が必要ですが、基本的に取り外すことはありません。
より分かりやすくするために、作業を動画で撮影してサーバーに残し、それをQRコードでアクセスできるようにして、必要なときにスマホで確認できるようにした事例もあります。参考になさってください。
もう一つは、生産性向上や5Sの徹底といった啓蒙的な内容の見える化です。これについて結論から言うと、いくら良いものでも貼りっぱなしは良くありません。この場合の見える化は「貼ること」が目的ではなく、「見て行動すること」が目的だからです。
これらは、最初はみんなが覚えていないのでポスターや掲示物が非常に役に立ちます。しかし時間が経つと、人はその存在に慣れてしまい、やがて見なくなります。そうなると、どんなに立派なポスターでも、単なる壁紙のような存在になってしまいます。
もしそれが重要な内容で掲示を継続する必要がある場合は、同じものを貼り続けるのではなく、同じテーマでも掲示物を定期的に変えることをおすすめします。例えば、季節ごとや期ごとにポスターを変える、内容を少し更新する、現場の写真を使うなどです。そうすることで「また新しいものが出た」と人の目が向き、関心を引き続けることができます。
ここで大切なのは、「今できている」ということと「これからもでき続ける」ということは違う、という点です。人は慣れる生き物ですから、放っておくとどうしても意識は薄れていきます。見える化とは、その意識をもう一度現場に呼び戻す仕組みでもあるのです。
見える化とは、現場にメッセージを送り続けることなのです。そして、そのメッセージが現場の行動を少しずつ変えていきます。