
Q1.現場カイゼンを当社でも実行しようと考えていますが、開始にあたり予算、プロジェクトメンバーの最低人数、何から始めるか?など、どのように始めるのが良いでしょうか?
A1.現場カイゼンを始めようと考えたとき、多くの方がまず「予算はいくら必要か?」「何人くらいのプロジェクトメンバーが必要か?」「何から手を付ければよいのか?」といった点で悩まれます。これはごく自然なことです。
結論から言えば、最初から大きな予算や立派な体制は必要ありません。むしろ、それを考えすぎると、カイゼンはなかなか始まらなくなります。
まず予算についてですが、現場カイゼンの基本は「金で逃げるな、知恵で勝て!」です。すなわち「お金をかけないカイゼン」です。動線の見直し、置き場の工夫、ムダな動作の削減、5Sの徹底など、ほとんどは知恵と工夫で始められます。とは言え、最初から知恵を出すのは難しいと思う気持ちも分かります。それでも、まずは「お金をかけないでできるカイゼンはないか?」と探すところから出発しましょう。
最初から設備投資ありきで考えると、「稟議が通らない」「予算がない」という理由で止まってしまいます。カイゼンは、まず知恵を使うところから始めて、その成果が見えてからお金を使うカイゼンを始める。この順番が大切です。
次にプロジェクトメンバーの人数ですが、これも多ければ良いわけではありません。最初は、現場をよく知っている2~3人の中心になるメンバーで十分です。カイゼンの場所は会議室ではなく、現場です。実際に困っている人、作業している人が中心にならないと、形だけの活動になってしまいます。もちろん実行に関しては、なるべく多くの方に参加していただくことが望まれます。
では、何から始めればよいか。私はいつも、整理・整頓を行い、そこで「一番困っていること」「誰もがムダだと感じていること」を見つけることから始めることをお勧めしています。難しいテーマや全社的な課題をいきなり扱う必要はありません。見つかった「探し物が多い」「歩く距離が長い」「段取りに時間がかかる」といった身近な問題をひとつずつカイゼンすることで、現場は確実に変わり始めます。
大切なのは、小さく始めて、早く成果を出すことです。その成功体験が、次のカイゼンへの意欲につながります。現場カイゼンは、完璧な計画から入るものではなく、行動から始まるものです。まずは一歩。完璧を目指さず失敗を恐れず、「できるところから」始めてみてください。
最後ですが、カイゼンに参加してくださる方々が「やらされている」という気持ちを持たないようにすることが大切です。やらされ感が強いと、カイゼンは続きません。自ら「良くしよう」と思って動けるように、やる気が出る工夫をしていきましょう。