現場カイゼン一問一答 第3回

Q3. カイゼン活動がうまくできていない場合、コンサルタントを招くべきでしょうか?セミナーなどに参加させるべきでしょうか?考える力をつけさせるためのアドバイスをお願いします。

A3. カイゼン活動がうまくできていないということですが、いきなりコンサルタントを招くのは、私はあまり賛成できません。理由は単純で、外部の力を入れる前に、まず自分たちの現場で「なぜうまくいっていないのか?」を考えることが、考える力を育てる第一歩になるからです。カイゼンは、答を教わって終わりではなく、現場の人が自分たちで問題を見つけ、工夫して直していく力を積み上げる活動です。最初から外部に頼り切ってしまうと、カイゼンの力が社内に残りにくくなります。

では、なぜうまくできていないのか?ここを考えるために、まず「うまくいかない原因」を言葉にして整理してみましょう。たとえば「忙しくて時間が取れない」「そもそもカイゼン活動がどういうものかを知らない」「個々のカイゼンはあるが組織的ではないので、やる人が限られている」「失敗すると責められるので提案が出ない」「カイゼンしても評価されないので続かない」など、原因は現場によって本当にさまざまです。大切なのは「自分たちでは対応できない」と決めつけるのではなく、どこでうまくいかないのかを見つけることです。あなたの工場では、何が一番の壁になっているでしょうか。

例えば、先に挙げた例で考えると、大きく3つに分けられるようです。ひとつは「時間がない」という管理の問題、もうひとつは「やり方が分からない」という知識や経験の問題、そして最後が「失敗が怖い・評価されない」という職場の空気や仕組みの問題です。どれが主原因かで、対応は変わります。たとえば時間がないのなら、毎週30分でもよいのでカイゼンの時間をあらかじめ仕事として確保し、まずは小さく実行してみてはいかがでしょうか。やり方が分からないのなら、本やYouTubeでやり方を勉強してすぐ実行し、まずは小さな成功体験を積む流れを作れないでしょうか。職場の空気が原因なら、カイゼンが出たこと自体を認める、失敗を責めない、カイゼンの結果だけでなく挑戦を評価する、といった仕組みづくりが有効かもしれません。

このように現場の困りごとをしっかり把握したうえで、その内容に合ったセミナーを受講するのは良い方法です。ただし、セミナーは「受けたら終わり」にしないことが重要です。受講後すぐに、現場で1つでもカイゼンを実行し、結果を見て、また考える。この一連の流れができて初めて、学びが力になります。私は、受講したら1週間以内に「現場で試す」「やってみた結果をみんなで共有する」「次に何をカイゼンするかを決める」までをセットにすることをお勧めしています。そうすると、学びが現場の言葉に変わり、考える力が育っていきます。

それでも自力で進みにくい場合には、コンサルタントを招く価値が出てきます。自分たちではできないことが、第三者が入ることで考えが整理されカイゼンが進むことがあります。このとき良いコンサルタントは、手取り足取り教える人ではなく、現場の人が自分の頭で考えられるように質問して、やり方を一緒に考え、最後は自走できる形にしていく人です。外部に頼るとしても、依存するのではなく、社内にカイゼンの力を残す使い方をすることが大切です。

まとめると、まずは「なぜうまくできていないのか」を自分たちで考え、困りごとを整理することが出発点です。そのうえで、必要に応じてセミナーで学び、学んだらすぐ試して小さなカイゼンの成功を積む。そこで「ここは外部の力を借りた方が早い」「よりレベルの高い仕組みにしたい」などと判断したところで、コンサルタントを招く。こういう順番で進めると、カイゼンの成果だけでなく、現場の考える力も確実に育っていきます。

すなわち、まずはやってみて、トライアンドエラーを通じて何が問題だったか、何がカイゼン成功のポイントだったかなどを振り返ることで考える力が付くと言えるのです。