現場カイゼン一問一答 第21回

Q21. 見える化した方が良いものは、具体的にどういったものでしょうか?

A21. とても良い質問です。まず、コンサルタントである私が初めて工場を訪れた場面を想像してみてください。私は現場を歩きながら、リーダーの方に次々と質問をしているでしょうか?それとも、ほとんど質問せず、うなずきながら現場を歩いているでしょうか?

もちろん、私はカイゼンのサポートが仕事ですから、分からないことがあれば遠慮なく質問します。見える化がしっかりできている工場では、当然質問の数は少なくなります。現場を歩くだけで、多くのことが分かるからです。

私がよくする質問は、「これは何ですか?」「この工程は最初から数えて何工程目ですか?」「この置き場だけで管理していますか?」「検査は全数検査ですか、それとも抜き取り検査ですか?」「今日の生産状況は順調ですか?」といった内容です。逆に言えば、これらが現場を見ただけで分かるようになっていれば、それは見える化が進んでいる工場と言えます。

では、具体的にそれらをどう見える化すればよいのでしょうか?まず大切なのは、担当者だけでなく、誰が見ても分かることです。担当者しか分からない情報では、当人がお休みした時や応援者が入った時に困ってしまいます。

そして、全体に関係する情報は、全員に見えることです。生産計画や品質、安全に関する情報などは、一部の人だけが知っているのでは意味がありません。また、掲示物は常に最新の情報に更新されていることも重要です。

それ以外にも、何がないのかが分かることも大切です。例えば、部品の置き場が一か所に決まっていれば、そこになければ「工場内にはない」と判断できます。逆に置き場が何か所もあると、探し回るムダが発生します。もちろん、先入先出しの状態や、どこに何があるかも一目で分かるようにしておく必要があります。

一方で、見える化は問題を見つけるためだけのものではありません。生産性や品質、安全などの良い状態も見えるようにすることが大切です。良い状態が見えれば、その状態を維持しようという意識も生まれます。つまり、見える化とは、単に掲示物を増やすことではありません。誰が見ても同じ判断ができ、すぐに行動へ移せる状態をつくることなのです。

私はいつも、「質問しなくても分かる現場」を目指してくださいとお話ししています。そのような現場では、探す時間や確認する時間が減るだけでなく、問題にも早く気付き、カイゼンも速く進むようになります。それが本当の意味での見える化です。

先日、時間に余裕がない中で、普段あまり利用しない地下鉄に乗る機会がありました。どちらのホームへ行けばよいか迷ったのですが、エスカレーターの前にあった案内表示を見ただけで、迷うことなく目的のホームへ行くことができました。この時、「これこそ見える化だ」と思いました。質問しなくても、必要な行動がすぐにできる。見える化とは、まさにその状態をつくることなのです。