現場カイゼン一問一答 第10回

Q10. 備品の更新や導入など、予算が必要なカイゼンは、責任問題などを考えるとなかなか提案できません。このような問題は複数人で提案した方がよろしいでしょうか?

A10. この問題は多くの現場で見られます。結論から言うと、複数人で提案すること自体は問題ないのですが、その目的を間違えてはいけません。

確かに、「この設備が自職場にあれば大きな成果が出る」と予測できても、投資額が大きく、しかも一定のリスクがある場合には、個人でその責任を背負うことを考えると、提案をためらってしまう気持ちはよく分かります。

しかし一方で、経営者の立場からすると、そのような可能性のあるアイデアが「失敗の恐れがある」という理由で出てこないことは非常に困ります。変化の大きい今の時代、経営者は自社も変わらなければならず、どんなアイデアでも求めています。基本的に、失敗したら提案者の責任にするという考え方ではいけません。

とはいえ、提案することにリスクがあることも事実です。だからこそ、経営者が判断できる形で提案することが重要になります。具体的には、そのアイデアによって期待できる効果と、想定されるリスクを明確にすることです。また、導入に関わる部署や、万が一リスクが現実化した場合に対応する部署についても整理しておく必要があります。

このように考えると、関係する部署の合意を取り、それらの部門の人が共同で提案するという形は非常に有効です。複数の視点で検討されているため、提案の精度も高まり、実行段階でもスムーズに進みやすくなります。

ただし、ここで注意すべき点があります。複数人で提案するのは、「一人で責任を負うのが怖いから」ではありません。「会社にとって必要な提案であり、リスクについてもそれぞれの責任者が十分に検討をした上で向き合う」という姿勢で行うべきものだと考えるからです。