脱力・カイゼントーク 第46回

思い込みによる失敗 問題提起

先日、私は自分の知識不足と思い込みによって、簡単に解決できるはずの問題を随分と遠回りしてようやく解決するという失敗をしました。私は普通よりおっちょこちょいなのですが、それでもこの手の失敗はカイゼンの現場にもあると思います。ちょっと恥ずかしいですが、少しでもヒントになれば嬉しいのでお話ししたいと思います。

自室のエアコンのスイッチが入らなくなったのです。エアコンは大手メーカー製で、某家電ショップで3年前に買ったものです。まずエアコンの説明書を取り出して、「故障かな?と思ったら」のチェックリストページを開いて「運転しない【運転ランプが消えている】」のチェック項目を見ました。

●ブレーカーまたはヒューズが切れていませんか?
(私の判断)部屋の電気が点いているので、切れていないです。
●電源プラグが外れていませんか?
(私の判断)チェックしました。外れていません。
●停電ではありませんか?
(私の判断)部屋の電気が点いているので、停電ではありません。
●リモコンの電池は入っていますか?
(私の判断)チェックしました。使える電池が入っています。

チェックリストで解決する方法を見つけることはできませんでした。

次に、工事をして下さった会社に電話してみましたが、回線そのものがなくなっており通じませんでした。

そこでエアコンを買った家電ショップに電話をしましたが、デパート内にあったそのお店はすでに撤退していて通じませんでした。次に保証書に記載されていたサービスステーションに電話をすると、有料の5年間保証を買っていないので販売店では対応できないので、メーカーに直接電話してほしいと言われ、メーカーの窓口の電話番号を教えてくれました。

やっとの思いでメーカーの窓口に電話すると、修理窓口の電話番号を伝えられました。早速電話すると、今度は自動の音声対応でした。質問に答えた後、1時間以内にオペレーターから電話が行くのでお待ちくださいということになり、待機しました。

しばらくして、オペレーターさんから電話がかかってきました。状況を説明し電池やコンセントは確認したとお伝えすると、オペレーターの方は、私が既にチェック済みと思っていたことを再度質問してきました。

(オペレーター)「ブレーカーまたはヒューズが切れていませんか?」
(私)「部屋の電気が点いているので、切れていないです。」
(オペレーター)「エアコンと部屋の電気のブレーカーは別々の場合がありますので、確認してください。」
(私)「えっ!そうなんですか?」

私は同じ部屋の電気とエアコンが別々の回路になっていることを知りませんでした。ブレーカーは家全体で1つのスイッチだと昔の記憶から思い込んでいたため、電気が点いているのでブレーカーには問題なしと考えていました。実際、これまでブレーカーが切れたことはなく、ブレーカーがどこにあるかも知りませんでした。しかし、家族に教えてもらい確認すると、1つ切れているスイッチがあり、それを入れ直したところ、エアコンは正常に動き始めました。

本来なら数分で済んだはずのトラブル対応が、最初のチェックミスのため半日かかってしまいました。現在の住まいに移ってから長年にわたり、電気の問題はほとんどなかったため、それが当たり前になっており、基本的なことを知らずに過ごしていました。この経験から、ヒューマンエラーなどの指導もしている立場でありながら、問題があっても気付かずに働いていることがあると再確認し深く考えさせられました。

次回に続きます。