8月のご挨拶

熊本で大きな地震が発生しました。
被害に遭われた方々におかれましては、これからの復旧も含め、大変な思いをされていることとお察し申し上げます。

日本にいる限り、地震や津波、台風といった災害は、どこでも起こり得るものです。
「自分たちの地域でなくて助かった」と考えるのではなく、「もし自分たちのところで起きていたらどうするか」と考えておくことが大切です。

現在も復旧に向けて懸命に取り組んでいる方々がいらっしゃいますが、私たち自身も備えを進めておかなければなりません。会社によっては毎年防災訓練を実施しているところもあると思いますが、防災訓練を形式的なものにせず、実際に役立つ形でしっかりと実行する必要があります。

例えば、避難の際に何を優先するのか?
イオンの爆発事故のように、安全の確保がされる前に、現場に戻るといった行動は決してあってはなりません。防災訓練では、「〇〇をする」だけでなく、「✖︎✖︎はしない」という表現も必要です。また、「逃げる前に必ずこの機械の電源を切る」といったルールが本当に機能するのか、実際に動けるのかを確認し、予行演習を行うことが重要です。そして、そこでわかった問題点を3Sや5Sを実行する際に、追加項目にするなどして、有事の際の備えを更に確実なものにしていくのです。

これまでBCP(事業継続計画)というと、物流の停止や資材不足などが主なテーマでした。しかし今回の地震を見ると、地震のような大規模災害も前提にした備えが不可欠であることが分かります。

会社を守るためには、大地震が起きても社員の安全を確保できるか、早期に復旧できるか、被害を最小限に抑えられるか、そして社会からの信頼を失わない体制を維持できるか…、こうした点まで踏み込んだ準備が求められます。

また、近年は、40℃を超える気温が続くなど、異常気象も災害レベルに達しています。このような環境では、従業員一人ひとりの自己管理に任せるだけでは不十分です。例えば、作業時間や休憩時間の見直し、WBGT(湿球黒球温度)などの指標を用いた危険度の把握、水分・塩分補給のルール化、空調や遮熱対策の強化など、会社として具体的な対策を講じる必要があります。場合によっては、作業を中断する判断も含めて、安全を最優先にした運用を徹底しなければなりません。

安全は、何ものにも代えることができません。事故や災害は、起きる1秒前までは何でもなかったことが、起きた途端に取り返しのつかない事態になります。だからこそ、「その時になったら考える」では遅いのです。

防災訓練も、決められているから実施するというものではありません。有事の際に、本当に自分たちの命を守れるかどうかがかかっています。「もし今ここで大地震が起きたら、自分はどう動くのか」「仲間の命を守るために何をするのか、何をしてはいけないのか」。一人ひとりがそこまで真剣に考え、いざという時に迷わず行動できる防災訓練を実行してください。


日本カイゼンプロジェクト
会長 柿内幸夫