
6月になりました。
最近、ナフサ不足に関連したさまざまな問題を耳にすることが増えました。製造業では、石油関連製品の価格上昇や、シンナー・塗料・油などの不足という形で影響を受けている会社も多いことと思います。
こうしたニュースを聞くと、「困った」「どうしよう」と考えてしまいます。塗装関係やプラスチック製造など直接的な影響が多い企業は大変ご苦労されていることだと思います。国レベルの問題ですと解決はとても困難になりますが、こういった状況下で生まれたアイデアなどが後ほどとても大きな影響を及ぼすこともありますので、そのようなきっかけになれば良いなと思いこの原稿を書いております。何かが不足した時は、それまで当たり前だと思っていたことを見直す良い機会でもあります。
例えば、カルビーのポテトチップスでは、一部の商品でパッケージの色をフルカラーから白黒に変更しました。大幅なコストダウンになったと思います。見た目は少し地味になりましたが、中身の味や量が変わらなければ、お客様はそれを理解し、これまで通り購入してくださるのではないでしょうか。

レジ袋も良い例です。有料化が始まった当初は不便だという声もありましたが、多くの人が買い物袋を持参するようになりました。今ではそれが当たり前になっています。便利だと思っていたものも、振り返ってみると少し過剰だったのかもしれません。
そう考えると、雨の日に店舗の入り口に置かれている傘袋も同じです。もちろん床を濡らさない工夫は必要ですが、例えばこれを機に袋タイプのものから傘の水気を取るものに変更してみるのも一つのアイデアかもしれません。

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雨水で膨らんだ傘袋の処理も、店舗にとっては大きな負担です。つまり、それまで必要だと思っていたものでも、少し工夫をすると別の方法で対応できることがあると思うのです。
私は現場カイゼンで照明の省エネを考える時に、よくこんな話をします。工場の照明を減らそうとすると、多くの場合は現在点いている照明を見ながら、「これは消せるかな」「あれも消せるかな」と少しずつ減らしていきます。しかし、この方法では思い切った発想が出にくいのです。
そこで逆の考え方をします。もし工場が真っ暗だったらどうするか。まず最低限必要な場所はどこかを考え、そこから一つずつ照明を増やしていくのです。すると、「ここは実はいらない」「ここは半分で十分だ」といったことが見えてきます。結果として、全てを点灯した状態から減らしていく方法よりも、はるかに多くの照明を削減できることがあります。
これは照明だけの話ではありません。何かを改善する時、今あるものを少しずつ減らすよりも、「もし無かったらどうするか?」と考えた方が、思い切ったアイデアが出ることが多いのです。
「材料が足りない」「人が足りない」「置き場所が足りない」
最初は足りないこと自体が問題に見えます。しかし皆で知恵を出し合っているうちに、「実は使い過ぎていた」「本当は必要なかった」「別のやり方があった」ということが見えてくることがあります。
もちろん、何でも減らせば良いという話ではありません。品質や安全に関わることは守らなければなりません。しかし、それ以外の部分については、「本当に必要だろうか?」と一度立ち止まって考えてみる価値があります。
不足は不便です。しかし、不便だからこそ知恵が生まれます。豊かな時代には気付かなかったムダや固定観念を見直す機会にもなります。ナフサ不足をはじめ、現在の社会にはさまざまな課題があります。しかし、それを嘆くだけで終わるのではなく、「もし無かったらどうするだろう?」という視点で考えてみることで、新しいカイゼンの種が見つかるかもしれません。
厳しい状況は続いていますがそのような状況下にもチャンスを見つけることはできます。今こそ固定観念を捨てて、本当に必要なものは何かを考えてみたいものです。