2023年 新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

年明け一回目ですので、今年の抱負を語りたいと思います。

今年は原点回帰を目指します。コロナで大幅に減っていた直接のコミュニケーションを増やし、横のつながりを強化してカイゼン活動を更に活性化して経営に大きな変革をもたらしたいのです。

一言で言って、これまでは「人と会ってはダメ」の3年間であったと思います。

会議を例に取って考えてみます。大げさな言い方をすれば、私たちは全員が隔離されていたといえるのではないでしょうか。そこでコロナ以前はほとんど使われていなかったZoomのようなウェブ会議システムが使われるようになりました。離れた場所にいる複数の人がお互いの顔をパソコンの画面で見ながら会話ができるという驚くべきシステムの登場で、正味2時間でも移動時間を入れると一日仕事ということが珍しくなかったそれまでの会議に驚異的な生産性向上がもたらされました。

もちろんリアルに会うことと較べると、表情や雰囲気を読み取りにくく冗談や愚痴も言いにくいこと、あるいは気の合った仲間同士の雑談ができなくなることなど、会議本来の情報交換以外の場から生まれる新たな発想や深い心の交流などは得難くなったと感じます。その結果、組織の横のつながりはかなり弱くなったと思います。

私の希望的観測を含めての予想ですが、これからコロナは落ち着き規制も少なくなるでしょう。リアルの会議も以前と同様に開けるようになると思います。そこでコロナ前とコロナ最中のそれぞれの会議の内容を振り返り、コロナ後の会議の持ち方を決めるカイゼンが必要になります。当たり前ですね。

しかし私はこの当たり前のカイゼンは決して易しくないと思っています。例えば月例の会議を毎月リアルとウェブで交互に開催すれば、以前と較べて能率・コスト面での成果は出るでしょうが、会議の進め方や内容がそのままであれば一番大切な経営に大きな変革をもたらすことは難しいでしょう。このタイミングで会議本来の目的を再確認し、それに合わせた会議方法の選択、参加者の選定、準備の仕方や会議の進め方などを改めて考えてカイゼンする必要があるのです。

私の考えは、もしリアルに会うことになった時は、基本的にウェブでできる情報交換や決定などはすべてウェブ会議で事前に済ませ、その上でリアルに会わないとできないことのみを対面で集中的にやって、より大きな付加価値を生み出し成果をあげることです。こうすればコロナ以前より圧倒的に効率的で大きな成果を生み出すパワフルな情報交換の仕組みとなり、まさに「災い転じて福となす」になると思います。会議の持ち方を例に直接的なコミュニケーションのカイゼンをお話ししました。

これから起きる様々な変化をコロナ後のカイゼン活動に取り入れることが求められます。今年は原点回帰の年です。これまでできなかったことを一気に取り返しましょう。そして横のつながりを強化してみんなでカイゼン力を上げて経営を変革しましょう。日本カイゼンプロジェクトも今年は参加型の企画を増やして参ります。

日本カイゼンプロジェクト
会長 柿内幸夫