誰しも長年生きていますと自分のライフスタイルというものが決まってきますよね。それと違うことをやろうとすると何となく違和感をもったり、場合によっては抵抗感すら感じたりすることがあると思います。
これはビジネスにおいても同様ではないでしょうか。業界によってあるいは会社によってビジネススタイルが確立されていて、それを変えることに大きな力が必要となります。
進化論でも時代の変化に対応できたものだけが生き残ると言われています。この言葉は私たちが携わる物流の仕事にもそっくりそのまま当てはまると思います。
ある製造会社に他業種から転職してきた人がいました。その人が就いたポジションは物流部の部長でした。今まで物流の仕事は全くやったことがなかったため、試行錯誤の連続でした。
その人とたまたま話をする機会があったのですが、その会社の物流戦略を聞いて驚きました。それはまさに今後のグローバル化を見据え、サプライチェーンマネジメントを行っていくための組織論と仕事のスタイルが網羅されていたのです。
なぜ物流の素人の方がここまで踏み込んだ考え方を確立できたのか?それは素人の素直な発想があったからだと考えました。
今まで会社はこういうやり方をしてきたから、とか物流とはこういったものだと言った、半ば誤った認識が会社の進化を阻みます。
この物流部長さんにはこのような「余計な常識」と呼ばれる非常識が頭の中になかったのです。だからこそ、本当のサプライチェーンマネジメント論を頭の中で展開できたのでしょう。
案の定、会社内の仲間からは素直に受け入れてもらえません。しかしこれからじっくりと時間をかけて説得していくとのことでした。
一つの例を挙げると、物流倉庫の仕事に波動があり、作業者に繁閑の差が出ていたそうです。それを解消するために作業者の技能向上を図り、徐々にできる仕事の幅を広げていく動きをしようとしたそうです。しかし昔からいる人たちにはそういった発想がないため、その説得に苦労したそうです。
次回に続きます。