グローバルサプライチェーンが最も進んでいる産業が自動車製造業でしょう。最終組み立てメーカーであるカーメーカーを最下流とし、そこにつながるサプライチェーンはまさにグローバルワイドで形成されています。
自動車サプライチェーンではカーメーカーのオーダーのもと、原則として同一情報でTier1以下の部品メーカーが生産を行っています。
在庫を極限まで落としたジャストインタイム生産を実施していますので、リードタイムも短くなっています。
部品調達は世界で最もコストメリットがあるところで生産し組立地へ送ることになっています。しかしこのグローバル調達で注意しなければならない点があります。
それは為替と海上輸送運賃の振れです。これは読むことが困難なため、出たところ勝負になってしまいがちです。
そうなると計画していた時にはコストメリットがあった部品調達が実は儲からなかったということになりがちなのです。
本来ではタイで生産し日本に送って組み立てることがベストと思われていたものが、実際には日本で生産して日本で組み立てる方が効果があるということも実際に起きているのです。
それだけにグローバルサプライチェーンは難しいと言えます。生産地を選ぶ場合にはよほど価格差がないと危険だということになってしまいます。
こういった点でも、グローバルサプライチェーンに貢献するために幅広い知識と経験が必要だということになるでしょう。
サプライチェーンの管理は一社で行うにしても、こういった周辺知識はその道に長けた会社で実施していくことが望ましいのです。だからこそ前回お話しましたアライアンスが必要になるのです。
次回に続きます。