グローバルサプライチェーンへの貢献(3) 工場内物流と生産コントロール

生産のコントロールについても理屈は机上で学ぶことが可能です。しかし生産過程では品質や設備の問題、スキルの問題などさまざまな要素が絡むだけに少々やっかいだと言えるかもしれません。

これを学ぶために有効な手段があります。それは実際に工場で仕事をすることです。「えっ!工場で実際にものづくりをやるの?」と疑問を抱かれる方もいらっしゃるでしょう。

工場で仕事をするとは「工場内物流」を受注して実施するということです。工場の中では資材の運搬や生産ラインへの供給、ピッキング作業や梱包作業、完成品の引き取りから出荷作業などさまざまな物流業務が存在します。

そこでこの「工場内物流」を受注して実際に生産に触れることが早道だと思います。メーカー物流は物流会社にとっては魅力的です。このメーカー物流に入り込むきっかけとして最も有効な手段が「工場内物流」を受注することなのです。

工場内物流をやっているといろいろなシチュエーションに遭遇します。資材が不足しそうなので、生産を切り替えるとか、大幅に受注が増えて資材在庫が不足するとか、そのシチュエーションはさまざまですが、生きたサプライチェーンの一端も体験することができます。

そして知らず知らずのうちに生産管理のスキルも身につくのです。その意味で「工場内物流」を実際にやってみることは非常にお勧めだと言えるでしょう。

このようにして徐々に発注、生産、出荷のスキルがついてくれば、その仕事を荷主から受注し実際にやってみることです。

倉庫での保管業務をやっているのであれば荷主が行っている「発注業務」を代ってやるように話をしていきましょう。ここで尻込みしていたら進歩はありません。

在庫管理は荷主の仕事、という固定観念を捨てきれなければサプライチェーンマネジメントなどできるはずがありません。

次回に続きます。