物流倉庫業務について考える(3) メーカー倉庫は生産コントロールせよ

1.モノづくり〈基本の基本〉 【急所3】動作経済の四原則その一 距離


サプライチェーンが重要視されてきているこの時代にあって、ユーザーのニーズは単独の保管だけということにとどまらなくなってきている気がします。

3PL業者はサプライチェーンの全般に関わり、保管であれば倉庫業者、輸送であれば運送業者にそれぞれ発注し全体をコーディネートする活動を行っています。

3PL事業に携わっていない倉庫業者も運送業者とアライアンスを組んでともに一貫した物流業務を受注することは十分に可能です。

荷主の立場に立って考えてみましょう。在庫については倉庫業者、そこからの発送については運送業者、在庫補充についてはメーカーや商社に連絡することは煩わしいと感じます。

そこでもし荷主から在庫保管の話が舞い込んできたならばその前後の物流についても受注できる旨話をしてみましょう。

荷主はより便利でサービス度の高い物流を求めているのです。それぞれの物流機能ごとに分けて発注し、日々調整業務を行っているのであれば、ワンストップで対応してくれる業者には魅力を感じることでしょう。

メーカーの倉庫であれば、そこに保管されている在庫が見えるように工夫することが肝要です。それはなぜでしょうか。

メーカーが工場外に倉庫を持つと、そこに送り込まれた在庫は見えなくなります。これをライン近くに個別保管したとしたらどうでしょう?製造部門はいつもその在庫が目に触れるわけですからそれを意識せざるを得ません。

このように在庫を見える化することで余分な在庫を持たないような意識につながるメリットがあります。そのエリアに置ききれなかったら生産を止めるようなアクションにもつながるのです。

メーカーにおける物流倉庫業務とは生産をコントロールするような役割をも担っているのだという意識で仕事をしていきましょう。

こうすることによって会社全体の効率に寄与することにつながり、物流の価値が高まると考えられるのです。

いかがでしょうか。物流倉庫業務は工夫次第でそのバリューが高まり、ユーザーに喜ばれる存在になりうることがご理解いただけたのではないでしょうか。

ぜひ今までの延長線上だけではなく、視点を広げてビジネスを拡大することを考えてみましょう。