物流BCPについて考える(15) 100年を超える老舗企業存続の理由

BCPを導入することに多かれ少なかれためらいを感じている会社もあると思います。

■BCPは大企業がやるもので、我々中小企業にはそんなゆとりはない。
■どうせ大地震が来たら得意先も被災するので、我々だけが対応しても仕方がない。
■100年に一度のためにコストをかけて行うことなんか意味がない。
このような思いを持っている会社も少なくないと思います。しかしこういった考え方は正しいのでしょうか。

日本には創業が100年を超える会社が約2万2000社あるそうです。過去にも大地震やパンデミックはありましたので、これらの会社もこういった苦難に直面したものと思われます。

中には創業1000年を超える会社もあり、こういった会社では単に自然体でやってきたから事業が継続しているわけではなさそうです。

それぞれ創意工夫をしながら、困難な時も乗り越えてきたのでしょう。

これらの会社の経営者の言葉には参考にすべき点が含まれています。

■うちは老舗といわれるけれど、変革し続けてきたからこそ現在があるのですよ」
■「老舗といえども中小企業だから、耐えなきゃならないことばかりですよ。でもそこで過去を振り返るだけだったら、結局今までやってきたことの検証しかできない。世の中の変化が激しいから、次のことを考えていかないと埋没してしまう」
■「360余年という伝統は、守ることではなく変化に対応するための"革新の連続"だ」
要は100年を超える老舗企業と呼ばれる会社には「変化を恐れず、それに対応していく考え方」が備わっているということが推測できます。

もしかしたら大地震は100年後に来るのかもしれません。しかしそれが今年来てもおかしくはないでしょう。

そこで「今できること」を行うことによって対処しておくことは経営者としてなすべきことと考えられます。BCPは本来業務として位置づけ、会社を守っていくという責任感のもと、準備を進めるべきです。

あまり背伸びをせず、まずできるところから始めてみませんか。