物流工程へのシステムと自動設備導入 高齢化と人手不足対策

物流業務を行っている会社には、なかなか人を採用できずに困っている会社もあると思います。物流作業はどちらかというと労働集約型作業のため、人がいないとなかなか処理ができない性質を持っています。

そこで今後のますますの高齢化と働き手不足のために物流工程に情報システムや自動設備を導入したいと考えられている会社もまた多いと思います。

気持ちはとても理解できます。人手不足もさることながら、物流作業にフィットした情報システムや自動設備はかなり進化してきていますので。

たとえば画像技術の進歩で自動ピッキングはもう人手で行わなくても設備に任せれば可能になりました。

ロボットアームにつけられた目(カメラ)がピッキング対象物を正しく認識し、ピッキングを行います。間違う確率も少なくなってきていると思われます。

ピッキング作業は人手で行うことが基本であるため、もしロボットが代替してくれれば大きなコスト削減になるとともに、人手不足対策にも貢献します。

運搬作業もAGV(自動運搬車)の進化によって、より導入がしやすくなりました。AI技術の発達もあり、運搬先さえ指定してあげれば最適ルートで自動運搬してくれます。

物流自動設備には省力化に貢献してくれるものもあります。重量物を積みつける作業は人にとっては過酷な仕事です。

床から重いものを持ち上げることは腰に大きな負荷がかかります。この要因で腰痛になることも十分にあり得るのです。

ですからこれから物流現場を設計するにあたっては、これらの最新技術を考慮に入れることは必要になること間違いありません。

物流自動化や情報システムの導入はまっさらな状態で実行することが効果的です。たとえば新たに物流センターを建設するというときには全体を自動化し、人を絡ませないような設計を行うことが考えられます。

ただし注意点は対投資効果です。物流作業は残念ながら生産作業と異なり直接的に付加価値を生みません。

だとすると、物流工程に大きな投資を行うことにはためらいが発生するのではないでしょうか。全く無理からぬ考え方ですよね。

この考え方は業種によって異なるかもしれません。物流業務自体を請け負って売り上げを立てる会社では物流投資は比較的やりやすいかもしれません。

一方でそうでない会社にとって物流投資は容易ではないでしょう。

次回に続きます。