日本企業の7割以上が物流業務を何かしらの形でアウトソースしていると聞きます。この物流アウトソースですが皆さんの会社では上手くいっていますでしょうか。
本当にある話ですが、このような質問をすると「上手くいっているのかどうかわからない」という回答があります。
いったん物流業務をアウトソースすると、あとは物流会社に丸投げ状態になっているのです。その物流がよいのか悪いのかがわかりません。
実はこの状態はアウトソースとして最悪の状況です。アウトソースした後コストが上がったとか、品質が悪くなったとかが把握できていれば対処のしようがあります。
しかし今の状態について判断できなければ、その状態がこれからも続いていくことが考えられます。そして場合によっては物流のパフォーマンスが徐々に悪化していくことがあり得るのです。
このような状態にならないためにも、物流アウトソース先とはうまく連携し、状況を常に把握していくことが必要です。
物流をアウトソースする際にはお互いきちんとKPIを決めて、その値をどこまでよくしていくかについて合意しておくことが望ましい姿です。
では皆さんは物流業務をアウトソースする際には相手にきちんと物流条件を提示できていますでしょうか。
輸送業務をアウトソースするには方面別物量の提示が必要です。荷物のデータをもとに、輸送してもらう日別、月別物量データを相手に示すのです。
当たり前のことですが、これができていない会社が多い実態にあります。大体トラック何台分といった適当なデータの示し方では適正な運賃を示されることは難しいでしょう。
何が起こるかわからないので物流会社としても安全係数をかけた運賃を示してくるはずです。皆さんが正確なデータを示せば示すほど、より正しい運賃が提示されます。
運用が始まる前に、どこまでアウトソース先に正確なデータを示せるかがポイントであり、皆さんの業務上の義務でもあるのです。
ここは時間がかかったとしても、できるだけ正確な情報を準備し、アウトソースに臨みましょう。結果的にそれが物流コスト低減や物流品質向上といったメリットとして返ってきますので。
では運用開始後にはどのようなことを実行していくべきでしょうか。その一つがアウトソース先への指導です。
物流はアウトソース先の方が優っているかもしれません。しかしそれは多くの場合、テクニカルスキルの領域です。
多分皆さんの会社の方がマネジメントスキルは優れているものと思われます。ですから、マネジメント領域で相手を指導してあげることが望ましいのです。
次回に続きます。