物流の自動化・システム化の留意点(5) バーコード照合とシャッター式ピッキング装置

物流工程の品質を向上したいと考えていらっしゃる方は多いと思います。製造工程ではそれなりのしくみと標準化がなされているため、不良流出には歯止めがかかっています。

しかし物流工程では作業の標準化も十分でなく、品質管理活動もまだまだのレベルだと思われます。そこで多くの方が何か品質向上につながるシステムは無いものかと頭を悩ませています。

結論から申し上げると、作業の標準化などに代表される現場管理のしくみが導入されていない物流現場では、導入したから驚くほど物流品質が向上するシステムは無いと思います。

しかし一定のミスを検知するシステム、つまり物流品質向上をサポートするシステムは無いことはありませんから紹介しておきましょう。

その代表選手はバーコードを読み取って確認作業を行うためのハンディーターミナルです。もちろんタブレット型のツールでも構いませんが、要は製品につけられているバーコードを電子的に読み取ることで人の判断だけに頼らずに済むしくみです。

この読み取り作業を飛ばしてしまって物流不良を発生させてしまうことがありますので、そこはきちんと標準作業化して守らせるしくみが必要であることはいうまでもありません。

できればバーコード照合を行わなければ出荷伝票が発行できないような歯止めをかけておくとよいでしょう。

次にシャッター式のピッキング装置です。前回デジタル・ピッキング・システム(DPS)のお話をさせていただきました。

DPSではランプのついた間口から表示された数量を取り出すしくみですが、これでも間違いは撲滅できません。

隣の間口から取り出したり、ピッキング数量を間違えたりすることはまれに発生しています。これを防止するのがシャッター式ピッキング装置です。

このシステムでは間口に蓋がされており、オーダーに従い該当商品の間口の蓋が開くしかけになっています。

作業者はそこからしかものを取り出せませんので、ピッキングミス防止につながります。もちろん、その間口へ製品補充する際に間違ってしまえば誤出荷につながってしまいますので注意が必要です。

また、製品の重量を測定しながらピッキングを行う重量秤なども一種の物流品質向上のためのツールだと思われます。

人間がやることですからミスは完璧には無くなりません。そこで少しでも作業者の負荷を軽減するとともに、物流品質向上につなげていけるツールは積極的に導入することを考えてもよいと思います。

次回に続きます。