物流の自動化・システム化の留意点(4) DPSとDAS

物流現場の効率化を支える設備は何も自動設備に限ったものではありません。物流作業をサポートし、その負荷を軽減するものもあります。

皆さんの会社ではピッキング作業を行っていますでしょうか。この作業は出庫作業の一種で、オーダーに基づき棚から該当品を取り出す作業を指します。

最もイメージしやすいのがスーパーでの買物です。ショッピングカートを押しながら、商品棚から買いたい商品を取り出していく行為、これがピッキング作業です。

皆さんはどのようにして買物をしているでしょうか。多分買物メモを見ながら、該当商品の棚を探し、そこまで移動して商品を取り出していると思います。

物流現場でのピッキング作業も多くの会社でこの方式をとっています。リストピックング方式と呼び、オーダーシートを見ながら該当棚に移動し、品物を取り出します。

この作業を見ているとさまざまなムダが目につきます。それはリストを確認する動作、棚を探す動作、商品を確認する動作、リストに取り出し済みマークを書き込む動作などなど。

このような動作に本業である商品取り出しよりもはるかに多くの時間をかけているのです。これを効率化するしくみがデジタル・ピッキング・システム(通称DPS)です。

棚の間口にランプと数字が表示される箇所が設置されています。オーダーに基づき該当間口にランプがつくとともにピックすべき数量がデジタル表示されるのです。

作業者はランプのついた間口から、表示された数量ピックするだけで仕事は終わります。オーダーシート(リスト)の確認やそれへの記入などは一切不要です。

結果的に作業効率が驚くほど向上します。多くの作業現場で倍以上のスピードでピッキング作業を行うことが可能になるのです。

一定の投資が必要ですから、すべての棚間口ではなく、重点志向で設置する必要はあると思いますが、導入は十分検討するに値します。

これと類似したシステムで、デジタル・アソート・システム(通称DAS)があります。これはピッキングではなく、該当場所に仕分け(アソート)を行う作業をサポートします。

しくみは一緒で、該当場所にランプと数字表示が点灯しますので、作業者はそこに必要な品物を必要数仕分けていくことになります。

物流作業において、確認動作や記入などはムダです。この行為によって作業速度を低下させているのであれば、すぐに効率化を考えるべきでしょう。

そのためのサポートツールであるDPSとDASは優れものであるといえるでしょう。

次回に続きます。