工場物流の誤解と正解(3) 構内物流が行うべき一工夫

構内物流が生産工程と一体であることが理解できれば、物流のあり方につていての認識も変わってくるものと思います。

前回ご紹介した「供給作業」はあくまでも生産工程の作業者の「部品取り」行為の延長線上にあるわけです。

ですから、今すぐに部品が取り出せる状態になっていなければなりません。ではすぐに取り出せる状態とは?

要は手を伸ばせば取れる状態になっている必要があります。生産工程作業者は工場の付加価値を生み出す担当者ですから、「取る」以外の余分な作業をさせてはなりません。

例えば次のような動作が発生していたとしたらそれを改める必要があるのです。

・ 部品を取るときの判断や迷い
・ 部品取りに伴う歩行
・ 部品取りに伴う余分な動作(振り向き、伸び上がり、部品の反転など)
・ 部品以外のものに触れること(空容器処理や緩衝材の除去など)

こういった動作は生産効率を低下させるとともに、判断や迷いが誤組付けなどの品質不良を招く可能性があります。

構内物流は次工程である生産工程は「お客様」ですから、これら動作が発生しないような供給作業を行わなければなりません。

例えば次のような一工夫が必要になるかもしれません。

・ 納入荷姿から必要数だけ部品を取り出して「裸で」供給
・ その工程で使う1台分のキットにして供給
・ 作業者の前面からの供給

サービス性が低い工場では輸送用荷姿のままラインに投入したり、今使用しない部品までもラインサイドに放置したりしていますが、これは感心できません。

構内物流は生産工程の一部ですから、生産効率向上と品質向上のために何をしなければならないかを常に考えていなければなりません。

さらに生産を秩序あるものにするために貢献できることがあります。それは物流作業を通した生産コントロールです。

よく生産ペースを生産作業者に任せきりにした結果、生産計画を無視した生産が行われているケースがあります。

ではどのようにして構内物流は生産コントロールをしていったらよいのでしょうか。

次回に続きます。