物流現場では固定的な仕事の与え方をしていることが多いようです。運搬作業なら一日中運搬作業、ピッキング作業なら同じくずっとピッキング作業を行わせています。
一日の労働時間を8時間としたときに、必ずしも8時間分のピッキング作業が無いケースも発生します。ではそのような場合、作業者はどうするのでしょうか。
これについて大変気になる動きをしていることに気づきます。それは8時間分の仕事量が無くても、「8時間かけて仕事をする」ということです。
つまりスローダウンして辻褄を合わせているということです。これは「手待ち」よりも悪いことです。6時間分の仕事量であれば、6時間で仕事を終えて後は手待ちにしておけばよいのです。
物流作業は標準作業を標準時間通りに実行することが必須です。先ほどの事例は標準時間を無視した仕事をしていることになるわけです。
作業者にそのルール違反を許している監督者の責任であると言えるでしょう。
この事態は「その作業しかできないから」発生することが考えられます。もし他の作業もできるのであれば、残った時間をその他の作業に振り向けることができるのです。
ということで、物流現場では多能工化を推進していくことが求められます。ではどのように多能工化を進めて行ったらよいのでしょうか。
第一歩としてこういった目標値を定めてみましょう。それは・・・
「一人三作業」できるようにしよう!
です。
たとえば、「検品作業」、「入庫作業」、「運搬作業」ができるようにするのです。これが無理なく多能工化を進めるアプローチ手法です。
では早速多能工化を進めましょう。それに先立って、全作業者がどのような作業をできるのかの棚卸を実施してみましょう。
その時の評価方法は、3ランク設定します。ランク1は「上司の指導の下作業できる」、ランク2は「一人前で作業できる」、ランク3は「他人の指導ができる」という内容です。
次回に続きます。