物流事業者との付き合い方(3) 頼りになる事業者

物流事業者にはよく理解できるように自社のニーズを伝えます。物流の価格はボリュームで決まる要素が大きいため、物流量についてはしっかりと見通しを立てた上で通知しましょう。 そして何よりも、物流事業者に期待したいことをはっきりと伝えることが重要です。物流改善したいのであれば、具体的に何をどうしたいのかを伝えます。

たとえば、今の誤出荷率を100ppmから30ppmに下げたい、そのために出荷場のレイアウトを誰にもわかるように改善したい、と話をします。

物流SQDCMに関して、それぞれについて「何をどのようにしたいのか」を伝えるとともに、できるだけ数値で明らかな目標値を提示しましょう。

これらの要望を受け取った物流事業者が何と答えるのかがポイントになります。スキル不足の事業者であれば、皆さんの要望を理解できないかもしれません。

このレベルの事業者は付き合ったとしても将来的に不安材料が多々あると思いますので、発注は避けたほうがよいかもしれません。

発注する相手の判断基準は、価格条件もさることながら、「頼りになる」相手かどうかがポイントです。その判断基準の一つが「普通に会話できるかどうか」ではないでしょうか。

皆さんが考えていることに対して「用語」が通じなかったり、話した内容を理解してくれなかったりするようでは好ましくありません。

本当に勉強している事業者であれば話は通じるはずです。物流の永遠のテーマである在庫について、その発生要因について理解しているかどうかも確認しておきましょう。

そして何よりも物流事業者に自社の物流について教えてあげる姿勢を持つことです。一緒に現場を見て回り、困っていることをその場で説明することです。

メーカーであれば生産の仕組みについても説明しましょう。どのような生産指示に基づき、どのようなロットサイズで生産するのかは、物流事業者の方はよく知らないところです。

しかし在庫には大きな影響のある生産の仕組みは物流事業者も知っていなければならないのです。さらに物の買い方についても同様です。

どのような発注をしているのか、サプライヤーはどういったロットで納入してくるのか、今調達改善ではどのような取り組みを行っているのかなど、できるだけ多くの情報を教えてあげましょう。

物流事業者はとかく「ものを運ぶ」ことだけを考えがちです。しかしユーザーの求めている水準はそんなレベルではないはずです。

お互い緊密な連携をとることで、よりよい物流を構築することに貢献しましょう。