いつも申し上げていることですが、物流には5つの機能があります。その5つの中に「包装」という機能があります。梱包と呼ばれたり荷姿と呼ばれたりします。
物流のこの5つの機能の内最も重要と思われる機能がこの「包装」機能なのです。ではなぜ最も重要だと言えるのでしょうか。
それはこの機能の影響を受けてさまざまな別の機能の効率が変化するからです。まずこのあたりの話からスタートしましょう。
包装は製品を移動させたり保管したりする際に品質を保持するために存在します。本来であれば包装など無ければそれに越したことはありません。
しかし実際に製品同士を重ね合わせることは品質上不可能な場合の方がほとんどです。ましてや裸のままでトラックに載せて輸送できるような製品は少数派なのではないでしょうか。
つまりものを保管、輸送する際にどうしても包装機能は無くてはならないのです。それ故に物流工程では最重要と言われるわけです。
さらに必要最小限の包装は場所を取ることもなく、トラックの荷台にも多く積載できるため非常にエリア効率に貢献するのです。
一方で物流を生業としている事業者の中でこの最重要機能である包装についてどこまで取り組まれているでしょうか。
よく見受けられるのは「輸出梱包」です。特に船舶で長時間輸送を行う場合には中身が傷まないようにそれ相応の梱包が求められます。
それこそプロの領域ですから専業者に任せたいという荷主が多いのではないでしょうか。その意味で輸出梱包を請け負っている事業者には「梱包技術」、すなわちパッケージングエンジニアリングのスキルが求められるのです。
それ以外ではどうでしょうか。小物製品のポリ袋詰めや段ボール梱包などに取り組んでいる会社もあるかもしれません。
また通信販売の製品について段ボール梱包を出荷準備の段階で実施している会社もあることでしょう。
ではその梱包仕様は誰がどのように定めているのでしょうか。もしかしたら現場サイドのカンコツに頼っているのではないでしょうか。
物流事業者、荷主ともに実はこのパッケージングエンジニアリングのプロが必要なのです。プロを育てて効率的な包装を通して効率的な物流を実現していくために重要視点について考えていきましょう。
次回に続きます。