サプライチェーン効率化において物流は極めて重要な位置づけにあります。ここで言う物流とは何かということについて認識しておく必要があるでしょう。
ここで一般的な物流の定義についてレビューしておきましょう。物流には次の5つの機能があると言われています。
・ 輸送
・ 保管
・ 包装
・ 荷役
・ 流通加工
これに加えて「情報」を含め物流の5機能プラスワンとして認識する必要があります。これは一般論です。しかしこれだけで十分とはいえません。
逆に5機能にとらわれると良くないかもしれません。なぜなら物流の領域はここまでで、それ以外は自分の仕事ではない、と主張する物流担当者が多いからなのです。
ということで物流担当者は上記5機能プラスワン以外の領域についてきっちりと勉強していくことを考えていきましょう。
物流の機能の中に「在庫」が抜けていることは大きな問題だと思います。物流担当者は「在庫」は荷主会社が管理すべきことだということで敬遠している節があります。
たしかに「在庫」は何かしらの活動の結果として表れるものです。たとえばつくりすぎが在庫を増やし、買い過ぎも在庫を増やすことになります。
また営業の需要予測が外れるとそれも在庫の発生につながります。しかも売れ残りは死蔵在庫となり処分せざるを得ない状況になるかもしれません。
そこで物流に携わる者は在庫の発生のメカニズムを学び、顧客である荷主にフィードバックをする責務を負っていると考えた方がよさそうです。
いつも申し上げていることですがサプライチェーン全体を俯瞰できるのが物流の特権なのです。この立場を利用しない手はありません。
多くの物流会社は自分の狭いテリトリーの中だけで仕事をしています。運送会社であれば地点間運送だけ、倉庫業であれば倉庫での保管と入出庫だけ、といったイメージです。
これは非常にもったいないことです。サプライチェーン全体を俯瞰し、在庫を見ながらそれを統制すべきアイデアを顧客に提案していくことでビジネスにもつながるのです。
では在庫発生のメカニズムについて考えていきましょう。まずはつくりすぎについてです。サプライチェーンはすべての工程が同じ情報で動くことが必要です。
極端な言い方をすればお客さんから受けた個々のオーダー単位でものをつくっていくということになります。
次回に続きます。