物流品質管理について今一度考える(6) 流出不良と工程内不良

物流品質向上に取り組み始めたばかりの時は工程内不良を徹底的に見つけて、流出不良につなげない努力をしていきましょう。

標準作業の順守を前提に、工程内不良についてはすべて申告させ罰しないようなルールにした方がよいでしょう。

もし最初から「不良=悪」という前提で話をしていくと物流現場には不良を隠そうとする心理が働きます。誤解の無いように言っておきますが、不良を出すことが悪くないということではありません。重要なことは不良を隠すな、ということなのです。

そこでまずは不良を見つけたら責めないので、どんどんその報告をするように徹底することです。むしろ最初だけは不良を申告したらその行為に対して褒めるようにしてもよいかもしれません。

その代り顧客への不良の流出は何としても防ぎます。不良流出率は30ppmとか60ppmと言われます。しかし工程内不良はその何倍もあるはずです。したがってその不良率についてもデータを取っていきましょう。

そしてそれをKPIとして各物流現場に削減目標を設定させ、それを毎月フォローするようにしていきましょう。現場の管理ボードには必ず物流不良のグラフを掲示します。毎月の実績はそのグラフに記入していくのです。

物流品質管理においてはその不良を発生させたことによる会社の損失金額もKPI化して管理していきましょう。製品をダメにしてしまったことにかかる金額、再配送の金額、その他の留守金額をしっかりと把握していきましょう。

要は物流品質についてKPI化することで皆さんの意識を高めることです。そしてその数値が優秀な物流職場や作業者を褒めることです。このようなしくみが定着していくことで物流品質はだんだんと良くなっていくことでしょう。

物流品質は会社の評判にも関わります。一度悪い評判が出てしまうと今までの努力は吹き飛んでしまいます。何としても物流品質を向上し、会社経営の改善にもつなげていきましょう。