荷主のハートに刺さる提案を行おう(2) 荷主との会話と現場診断

荷主を訪問した時にもう一つすべきことがあります。それは荷主の物流現場を見せてもらうことです。この場合の「見る」は「診る」という標記の方がふさわしいかもしれません。

つまりただ単に現場の状況を見るのではなく、その現場にどのような問題が潜んでいるのか、その問題を解決するにはどのような方策が考えられるかを考えながら診るのです。要は荷主の物流現場を診断するということになります。

荷主の物流現場の担当者に困りごとを聞きながら実際にその状況を把握します。自分でも荷主の言っていることを納得できるまで状況をきちんと把握することが必要になるのです。

そしてまた荷主と会話を行います。自分が荷主の物流現場を診て感じたことを率直に話し、それに対する荷主の見解を確認します。

ここまでやってくれば大体何を提案したらよいのかがわかります。何を解決してあげれば荷主の思いと合致するのかもわかります。これで初めて提案ができたと言えるのです。

どうでしょうか。今まで何を提案したらよいかわからなかった、という方もおぼろげながらでもご理解いただけたのではないでしょうか。

物流会社の問題として、提案に至るまでに二つのハードルがあるような気がします。

一つ目が荷主との会話です。
二つ目が荷主の現場診断です。

この二つのハードルを越えない限り提案はできません。しかし多くの会社がこの二つをやろうとしません。それはなぜなのでしょうか。

荷主との話をしたがらない物流会社を多く見かけます。顔を合わせば値下げの話をされると思い込んでいるのでしょうか。

そのような態度ではいかにも自信なさそうに見えて荷主は逆にその物流会社との取引を続けたいとは思わないかもしれません。

次回に続きます。