虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第3回:仕事は遊びで、遊びは仕事というのは表裏一体(その1)

●人はなぜ遊ぶのでしょうか?そもそも遊び人だからです

私たち人間を、別な言い方をすれば「ホモ・サピエンス」はよく知られています。これは、「人は知恵を持った類」と分類され動物学的な分類です。「もう一つ別な言い方があり、これは「ホモ・ルーデンス」であり、「人は遊ぶ存在」といわれるものです(ホモとは、同じもの、似たものの意味)。人間が他の動物と違う点は、言語を使って会話をし、さらに知恵を持つことがあります。さらに笑うことや遊ぶことも根本的な相違点があります。
 
なぜ人は遊ぶのかという理由は、本来人間持っているエネルギーが慢性的にあり余っているという説があります。そのエネルギーは溜めておくことはできないようで、噴火山のようにそれを発散しなければならず、そのはけ口として遊ぶというのです。それは脳が他の動物を違って、かなり発達していることが考えられます。
 
またある思想家は遊びの特徴として6つのことがあり、その中でも2つが特徴的というのです。その一つが非生産的であること、もう一つが生活上どうしてもそれがなければならないとは思われていないことにエネルギーを注ぎ込むことと指摘しています。そのように仕組まれていたようです。遊び始めると夢中になり、面白くて止められなくなります。
 
改善を進めていくと、アイデアが出なくなるという壁に誰もがぶつかると思います。この時の脱出方法の一つに視点を変えてみることがあります。今までの考え方を全く反対の考え方をしてみると、抜け出せなかった迷路からいとも簡単に向け出せることがあります。
 
生産方法においても、プッシュ方式からプル方式に考え方を替えてみると、以前とはまるっきり反対のことをやるので、最初は戸惑うことがありますが、でも考え方が分かってくると何をすべきかが良く見えてきます。それで一層改善を実施することが楽しくなり、時間はいつの間にか経ってしまうことが気づかなくなることがあります。その状態では疲れるという感覚がなく、いつまでやってもエネルギーが湧いてくる感じです。
 
その遊び自体であるがゆえに、奇想天外なアイデアが現実のものになっていきます。この状態になってきますと仕事とアイデアを考えること自体が趣味のようになり、四六時中そのことに没頭するようになります。それはアイデアのヒントにならないか、現場改善のネタにならないか考えることの境界線がなくなっていきます。

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