虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第9回:渡り鳥は地図がなくても間違いなく移動できる(その2)

渡り鳥は目的地に確実に移動できる機能がある

渡り鳥のアジサシは、一年の内に北極圏と南極圏を繁殖のために往復しています。その距離はなんと2万km以上です。大きさはカモメと同じですが、抜群の飛行距離を持つ長距離選手です。大海原では太陽だけしか方向を探るしかありませんが、アジサシなどの渡り鳥は体の中にコンパスを持っているようで、間違いなくはるか遠くの目的地に到達できる機能を備えています。その機能を少し分けて欲しいくらい羨ましいです。この体内にあるだろうと思われるコンパスは、地球の磁気を感じ取って位置確認と目的地の方向の軌道修正をしているようですが、詳細を知る機能が逆に欲しいくらいです。
 
ツバメも東南アジアなど数千kmの距離を移動していますが、ピンポイントのようにまた同じ軒先に戻り、巣を作るのは奇跡としか言いようがありません。ゴルフで先ず遠くにボールを飛ばすにはドライバーというクラブで叩きますが、グリーンに乗せてからはパターに持ち替えます。著者にとっては、このパターが曲者で穴の間を何度も行ったり来たりすることがあります。
 
ツバメのように日本に帰ってきて、すぐに元の軒先にホールインワンの如く巣に辿りつくことができます。この機能をパターに取り付ければ、スコアを大いに向上させることができると一気にシングルプレーヤーになれそうです。でもこれを使ってしまうと失敗がないので、逆に面白みがなくなってしまうかもしれません。遊びにはムダな動きや失敗がないと、面白さは半減してしまうようです。
 

鳥の超能力は発明や改善のヒントになる

人は鳥を見て、空を自由に飛んでみたいという願望から飛行機を発明しました。魚のように、海の中を自由に泳いでみたいということから潜水艦を作りました。月に行くぞ!と宣言したら10年も経たずに月の上に立つことができました。最初は本当にバカバカしい発想や夢物語に過ぎませんが、人の創造したことはほとんど実現化されています。
 
有名な格言に、“思考は現実化する”があります。何かを発明するには、バカバカしいことを言葉にして言う、落書きを描いてみるなど、まず行動を起こして周囲の人を巻き込んで大きなエネルギーにしていくことで、次第に現実になっていくものです。
 
私たちの体の中には微弱な電流(100~200マイクロアンペア)が流れており、脳や心臓や筋肉を動かしたり、細胞の新陳代謝を促したりして刺激を与えています。その微弱な電流を利用して、脳の内にマイクロチップになったコンパスが埋めることができると、地図やカーナビなしで移動が出来るという夢物語が考えられます。
 
数千kmを飛ぶ渡り鳥は体長がせいぜい20から40cmほどですが、その小さな体にこれほどの長距離を飛ぶことができるかも実に不思議なことです。体が流線型になっていることは外観でもわかりますが、これほどの長距離を飛ぶエネルギーがどこに潜んでいるかを解明できれば、多くの省エネ対策が可能になります。
 
またスズメバチの研究をしていて、1日に100kmも移動できるスタミナはどこから来るのかを研究して開発された商品があります。それは脂肪燃焼効果があるというスポーツドリンクで、著者もスポーツジムで毎度利用しています。発明や改善のヒントは、人類より前から生き続けている彼らから学ぶことができます。