今年もからくりカイゼン展が名古屋のポートメッセで、11月13日から14日の2日間で開催されました。昨年は、86社で351作品がありました。今年の第29回の出展社は一気に105社、作品の数も432点にも増えました。
昨年にも増して感じたのは、出展者であるからくり実践された特に若人たちが説明する熱気でした。堂々として、自分のやったことを説明してくれます。失敗談も堂々と何度もやり直した経過も素直に説明してくれるので、アドバイスもたくさん提供することもできました。
同じ説明員を午前中と午後からの説明を聞いてみると、別人のように流ちょうになって、説明文も不要になって失敗談も交えながら、時間も増して説明していました。これが、お互いが学びあう展示会の良さだと思います。
説明員は、説明ばかりでなく交代をしながら自分の興味あるからくり作品を見て回り、逆に疑問や質問をしていきます。さらにもっと良くするには、苦労話も聞いて自分たちのものにしようとする姿が印象的でした。見ている私の方も、俄然と胸が熱くなってきました。
聞く方も聞かれる方も、お互いに勉強する道場だという認識が向上していると感じました。特にコロナ過では、やや縮小気味の様子でした。今年はその規制がなくなり、その反動を吹き飛ばすかのように皆さんが、活発に交流されていると感じました。
この催しが日本の製造業を、もっと活性化するきっかけになればと思います。各社の上司らしき方々にインタビューをしてみました。からくりを使ったカイゼンそのものは、投資対効果は顕著ではないようです。
むしろ問題発見、問題の共有化、それらを自ら、そして自分たちの力で解決しようとする日常の生産活動に根付いていくことに力点をおかれているようです。それが、人財育成にもつながり元が取れて、投資対効果以上の成果になっているようです。
近年は、からくりカイゼンのための出展で評価を得る風潮が見え隠れしていました。でも今年の作品は、現場で実用に耐えて実際に現場の評価を得たものを出展するようになってきたことを感じました。賞を取るための受け狙いから、現場が欲しいカイゼンになるべきであり、それが現場のためのカイゼンと思いました。