ヒューマンエラー対応の職場づくり 第23回

23. リーダーは、これからどうすべきか

 リーダーは、率先垂範の行動が求められると紹介しました。まずは規律を自ら示していきます。時間を守る、約束を守る、挨拶は自ら仕掛けるなどを基に、自分なりの行動指針を作り、日々研鑽をしていきます。

 具体的には、メンバーに任せてはいけない業務と任してよい業務の棚卸を行います。順番として、任せてはいけない業務は何かを意識することです。任せてよい業務からどのメンバーにはこれを、彼にはあれをなど、その人の身の丈に応じた業務などを振当てます。

 適材適所、あるいは少しハードルを高く挑戦的な課題など、振当てます。ここで試行錯誤することが自分自身を成長させてくれます。昨日の後始末的な業務から、今日、明日への建設的な業務にシフトするためです。時間、人、負荷など、とりまとめてマネジメントしていきます。

 ここでメンバー一人ひとりの力量や性格などを調べておきます。メンバーの名字は当然ですが、名前も漢字で書けるようにしておきます。本人との個別の話し合い、お互いを理解し合うためのコミュニケーションを定期的に取りましょう。

 これは業務と考えます。その時に名前の由来を聞き出します。本人はビックリしますが、丁寧に説明してくれます、だれが名づけたのか、自分の名前をどう思うかなど答えやすいように笑顔と相づちを、タイミング良く出して雰囲気を盛り上げます。

 リーダーは徹底して聞き手に回りますが、リーダーの良いコーチングの訓練になります。趣味、好物、性格、長所や短所なども聞いてみましょう。

 でも無理は禁物ですから、15から30分で良いでしょう。事前準備して役割を少しずつメンバーに分散して、自分の勉強の時間をつくる過程を習慣化しましょう。

 その思考時間や考えることが、人間力をはぐくみます。人間力とは、人を引き付ける力とも言えます。あなたの言うことなら例え火の中、水の中も共にしますと言うように、辛いことがあってもあなたと共にしますと言うような共感力だと思います。

 さらに自分の職場で、誰もがやらない嫌なことを見つけやってみましょう。身の回りでできることを見つけ、習慣化しましょう。その姿をメンバーは見ています。やがて彼らも自発的に行動していきます。リーダーは、素晴らしい挑戦のチャンスを手にしたのです。せっかくのチャンスをものにしたいものです。