物流現場改善の方法として、作業改善と工程改善が挙げられます。まず作業改善について考えていきましょう。
作業改善はその名の通り、物流作業のやり方を変えていくことで効率化を行うことです。たとえば梱包作業で部品の位置を50㎝近づけることで、「とりおき」工数を減らすような改善です。
各物流作業について、本来であればどうあるべきかを考えると、それとかけ離れた作業を行っていることに気づきます。
その一つひとつを愚直に改善していくやり方が一般的です。部品を持ち替えなければならなかった場合、それをワンタッチでできるようにすることも作業改善です。
最初は物流作業のやりにくさに注目し、作業方法を変えていくことをお勧めします。一つひとつの効果は小さいかもしれません。
しかしこれが積み重なると大きな効果となります。作業改善の効果は「工数削減」として表れることが多いと思います。
工数削減の場合、改善してそれが「手待ち」に変わっただけでは財務効果はありません。それらを積み上げて、「1人削減」できるまでもっていくことが望まれます。
一方工程改善とは、レイアウトを変えたり、保管ロケーションを変えたりして、物流の工程そのものを変化させて効果を求めることを指します。
ピッキング工程エリアと梱包エリアを直結させて「運搬を無くす」改善は工程改善に含まれます。工程改善の場合には作業改善に比べると、一改善あたりの効果は比較的大きいと思われます。
工程分析を行ってみると、意外に隠されたロスが見つかることがあります。特に運搬や在庫に注目すると、なぜそれらが発生するのか疑問に思うことがあるでしょう。
これらのムダを工程改善によってはぎ取っていくことが望ましい姿です。構内にとどまらず、外部倉庫やストックポイントなどに注目し、直送ができないかを探ると意外と大きな効果のある改善に行きつくことでしょう。
輸送の改善につながればなお望ましいと思います。輸送はアウトソースしているケースが多いため、輸送改善は支払経費の削減につながり、会社利益を押し上げる効果があるのです。
以上の様に、物流作業の中に含まれるムダを排除する作業改善と、物流の工程そのものを変化させてムダを無くす工程改善の2つに注目していきましょう。
物流現場改善はまだまだ掘られていない宝がたくさん埋まっています。ぜひご紹介させていただいたステップで改善を実行することで、会社の利益向上に貢献していただきたいと思います。
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